言の葉通信

2024-04-03 20:13:00

新年度 気持ちを新たに

 いよいよ進学・進級の季節。児童・生徒の皆さんは新しい学年のスタートです。

 何となくですが、「言の葉の森」に通塾してくる子たちの表情に、緊張感が見られます。きっと、新しく気持ちを切りかえて頑張るぞ!!と、密かに気合いが入っているのでしょう。

 春は出会いと別れの季節でもあります。

 3月に卒業していった生徒・保護者様には、高校合格の報告とともに「先生に出会えて良かったです」ととっても嬉しくてありがたい言葉をいただき、ちょっぴり(いや、ものすごく)淋しくもなりました。また、進級にあたって「新年度もよろしくお願いします」の挨拶とともに、「ウチの子、すごく本を読むようになったんです」「通知表の成績が上がったんですよ~」「いっつも楽しいって言ってます」という言葉。ほんとうにありがたいです。私にとっても、大きな自信となります。

 もうすぐ開塾4年目となる「言の葉の森」。通塾生たちとともに、新たな気持ちで、気合いを入れて頑張っていきたいと思います。

 2024年度も、「言の葉の森」をよろしくお願いいたします。

2024-03-18 14:26:00

卒業おめでとう🌸

 中学3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!!

 社会的に制約の多かった3年間の中学校生活を無事に終え、自分で切り拓いた新しい生活に入られること、とても嬉しく思います。

 「言の葉の森」を卒業した生徒たちも、第一志望校に合格することができ、本当に喜ばしい限りです。私としても、ほっと一安心しているところです。

 さて、「言の葉の森」卒業生に、通塾最終日に書いてもらった文章の一部を、ここで紹介いたします。もし入塾を検討されている方がいるならば、卒業生の生の声を参考にして頂けたらと思います。

【市内中学校 男子】

 3年間通塾したおかげで、中学校でのテストのミスが減り、文を書けるようになったなと思いました。特に最初の頃は全然ダメだった漢字の読み書きができるようになりました。もしこれから通塾を考えている人がいるとしたら、中学校の国語の中でも特に難しい文法や表現技法もわかるようになるので、通ってみてほしいなと思います。

【市内中学校 男子】

 最初はまったく文を作ることができなかったが、回数を重ねるごとに少しずつ文を作れるようになりました。また、塾に入る前は、人とあまり話すことができなかったのが話せるようになったり、読書をする習慣が身についたことに、自分自身に成長を感じました。

【市内中学校 女子】

 「言の葉の森」にある本を読むのが、毎回楽しみでした。最初は読書に興味がなくて、小説なんて読んだこともなかったのに、気がつくと、読書が楽しくなっていました。先生と本の話をするのも楽しかったです。国語では記述問題がわからなくて、テストではいつも空欄でした。それが、通塾からすぐのテストで空欄ゼロになって、点数もびっくりするほど上がりました。私の苦手をちゃんとわかってくれて、読解のコツをたくさん教わりました。

 

 今年度は3名が卒業していきました。3人とも、「書きぬき問題はラッキー問題」と言うほど得意になり、文で答える問題にも、しっかり要点を押さえて書くことができるようになっていました。テストで間違った問題には、なぜ間違いだったのかを説明できるようになったことで、読解力を深めていったように思います。基本はしっかりと身につけたので、次は高校の授業で、テストで、活かしていってほしいです。

 これからの人生に幸あれ!!

2024-01-01 15:15:00

新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。

 とても穏やかな陽差しの中、新しい年が始まりました。今年も嬉しい1年になりそうな予感に、ワクワクしています。

 「言の葉の森」を始めて早3年。2023年は小学2年生から中学3年生までの生徒たちと、毎日ひたすら国語の勉強の日々。学校での話や家族の話等々をたくさん聞かせてもらったりしながら、楽しい毎日を過ごすことができ、とても幸せな一年でした。

 そして何より、学習するたびに知識を身につけ、国語の力をつけていくのを直に感じられる瞬間がとっても嬉しくて、教材作りにも力が入りました。私が幸せを実感できるのは、「言の葉の森」を見つけてくれて、いつも送迎をしてくださる保護者の皆様のおかげです。心から感謝を申しあげます。

 さて、今年はどのような生徒たちと出会い、学ぶことができるでしょう。

 2024年も、新しい出会いを楽しみに「言の葉の森」でお待ちしております。今年もご愛顧をよろしくお願いいたします。

 皆様にとっても輝かしい年となりますように。

2024年元旦

 

2023-06-24 14:54:00

「言の葉の森」は3年目に突入

 おかげさまで、「言の葉の森」は3年目を迎えました。つまり、丸2年を終えたところなのですが、正直、まだ2年なの?? という感覚です。すでに5年くらい経ったような…。それはきっと、濃密で、充実した日々を過ごせたということなのでしょう。

 これまでの人生なら考えられなかったであろう出会い、そして多くの再会。

 楽しんで通ってきてくれる子どもたちには、毎日新鮮な刺激をもらったり、ほっこりさせられたりしています。先生に話したいことを溜めてるんです、と言って一週間のいろんな話を聞かせてくれる子。学校での出来事を事細かに教えてくれる子。僕、天才になったかもと言いながら問題に取り組む子…。

 現在、小学2年生から中学3年生までの生徒がいますが、それぞれと向き合える時間はとても貴重です。

 また、これまでに出会った、教員時代の生徒たちや元同僚たちとの嬉しい再会もありました。転勤族の教員は意外にこういった再会が難しく、離任式や卒業式を終えたらそれっきり…となることが多いのです。それだけに、わざわざ訪ねてきてくれることは、本当に有り難いし、とても嬉しいことです。

 3年目を迎え、まだまだこれからの「言の葉の森」です。次はどんなことが待ち受けているのか、ワクワクしながら過ごしていこうと思います。

2022-07-23 17:29:00

羊と鋼の森

 森の匂いがした。

 この冒頭の一文で、私の目の前にも大きな森と、瑞々しい森の匂いが広がった。

 言葉の力とは凄いもので、ときにはリアルなほどに五感まで刺激されることがある。「羊と鋼の森」の世界では、私はずっと嗅覚を刺激されていたように思う。それは、晴れた日の森の匂い、雨の匂い、緑を吹き抜ける風の匂いだったりした。

 

 初めて手に取った宮下さんの著書は「神さまたちの遊ぶ庭」だった。その次に「緑の庭で寝ころんで」。いずれもエッセイで、そこには、北海道のど真ん中、トムラウシでの一年間の生活も描かれていた。二冊とも、私の目の前には緑が広がり、十勝の四季折々を感じさせた。加えて、「緑の庭で寝ころんで」には、「羊と鋼の森」の本屋大賞受賞エピソードの数々が盛り込まれていた。だから、言ってみれば、私は、宮下さん本人に勧められて「羊と鋼の森」を読んだことになる。

 

 舞台は北海道。ピアノの調律師を目指す青年が、真摯に仕事と向き合う物語だ。ピアノの音色や調律を言葉で紡ぎ出すのはとても大変な作業だったに違いないのだが、宮下さんは実に見事な筆致で表現している。

 音楽的な部分での奥深さはもちろんだが、人物の描き方も繊細だと感じた。主人公の青年・外村は一見、イマドキの言い方をすれば草食系男子。けれど、仕事へ探究心には感服させられるほどで、心に、静かに情熱を沸き立たせるマグマを秘めているような青年だった。調律を学ぶためなら遠慮無く先輩に質問し、仕事にも同行する。謙虚な姿勢ながら、学ぼうとする意欲は隠しきれない。なんとも理想的な職場の後輩である。先輩たちだって、こんな後輩なら大事に育てたいと思うだろう。

 そうして、環境に、人に、森に育てられながら、外村は理想のピアノの音に近づいていく。

  

 この空気感をどうやって映像にするのだろう…。去る2017年、作品の映画化を知ったとき、最初に不安がよぎったのを覚えている。そうして半ば恐る恐る映画を観たのだったが、良い意味で裏切られた。作品に流れる雰囲気が、しっかり再現されていた。外村役の人気俳優もイメージにぴったりだった。小説を読んで、映画を鑑賞し、再び小説を読み返し…… もう一度、あの静かな感動を味わいたくて、今回は3度目の読了である。そして思う。映画、また観たいな…と。ということは、私はきっと、しばらくの間は「羊と鋼の森」のループに陥るに違いない。

 

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