言の葉通信
中3学テ総合A出題問題より 「安養の尼上の小袖」
中学3年生の皆さんは、いよいよ進路選択について真剣に取り組む時期に入りましたね。 そして、3カ月連続の学力テストに、すでにげんなりしているのかも…。
さて、9月に入って行われた総合Aは、基本をしっかり押さえた内容でした。
その中から、今後は毎回取り組むことになる古文について、触れていこうと思います。
今回の古文では、鎌倉時代中期の教訓説話集「十訓抄(じっきんしょう)」(編者未詳)が取り上げられました。注釈などを頼りにすれば何となくストーリーができたのではと思うのですが、なかなか難解だったようで… つまずいてしまった人も多かったようです。
そこで、「十訓抄」からの出題文、「安養の尼上の小袖」を改めて紹介しましょう。
横川の恵心僧都の妹である、安養の尼上の所に強盗が入り、そこにあった物がすべて盗まれてしまったので、尼上は和紙で出来た布団を1枚、頭からかぶって座っていました。そこに、(尼上の妹の)小尼上が駆けつけ、強盗が落として行った小袖が落ちているのを見つけました。それを拾って、「これを落としてございます。お召ください。」と尼上に渡そうとしたが、尼上は、「それは強盗が盗んだ物なのだから、この小袖はすでに強盗の物。彼らが自分の物と思っている物を、私が着ることはできません。追いかけていって返してあげなさい。」と言います。小尼上は門の方へ走り出て強盗を呼び止めます。「落ちていたので差し上げます。」と強盗に差し出すと、強盗は立ち止まって考え込み、「とんでもない所に盗みに入ってしまった。」と言って、盗んだ物をすべて返して去って行ったということです。
横川(よかわ)という地名や、安養といった語句に難しさはあるでしょうが、今回の読解にはさほど影響もないので、おおまかなストーリーが理解できれば合格です。古文を読む際には、登場人物はだれか、このセリフや行動は誰のものか、という2点を押さえることが最も大切です。次のテストでの参考にしてみてください。
実感の声 私も嬉しいです!!
先週から今週にかけて、中学校では前期期末テストが行われています。
この夏、「国語基礎学習会」にご参加くださった生徒・保護者の方から、嬉しいメールが届きました。「教えていただいたコツのおかげで、今回はミスすることなく解けて、中間テストよりも点数が上がりました。」と。(一部抜粋して紹介)
「国語基礎学習会」では、テストで失敗を防ぐコツを中心とした内容での90分の学習を実施。この90分に、通塾生徒には約2カ月かけてじっくり行う内容を詰め込みました。詰め込みすぎて、私としては、うまく身につくものなのか不安も少々あったのですが…。
けれど、いただいたメールを読んで安心いたしました。学習内容をしっかりと意識して解いてくれたのだなと。
国語の学習はじつに幅広く、奥深いものです。テストに対応するためのコツだけでも、たくさんあります。今回の学習会で取り上げたのは、その中でもほんの一部でした。それでも効果を実感することができたのなら、きっと今後の学習にも繋げていけるものと確信しております。
学習会に参加してくださった生徒・保護者の皆様。この場を借りて、御礼申し上げます。
「夏休み国語基礎学習会」の詳細
今夏の「夏休み国語基礎学習会」は、その名のとおり、「基礎」に重きをおいた内容で実施いたします。
「基礎」が身についていなければ、どんな問いに対してもミスをしてしまい、挙げ句、減点あるいは零点になってしまいます。国語の読解問題の基本は、文章と問いを読み比べ、問いにふさわしい内容を見つけることにあります。そして、その内容を解答用紙に書く際の「問いに合った答え方」ができていることです。
「夏休み国語基礎学習会」では、国語の基礎の中でも特に、「問いに合った答え方」に絞り、そのコツを3ステップで伝授いたします。
ステップごとに難易度が上がります。今の自分が理解できているステップはどこかを把握された上で、曜日を選んでみてください。
【各曜日の学習内容】
1ステップ〈木曜日〉……「書きぬき問題」
「~なのはなぜか、書きぬきなさい。」「~は何か、ぬき出しなさい。」といった、比較的短い字数で書きぬく問題に対応。問いにふさわしい「答えの見つけ方のコツ」を中心に学べる内容です。
2ステップ〈金曜日〉……「文字数制限」
「~字以内で答えなさい。」「~字程度で答えなさい。」といった、文字数に制限のある問題に対応。「文字数制限に対応した答えの書き方」を中心に学べる内容です。
3ステップ〈土曜日〉……「条件付き記述」
「○○に続くように」「○○という言葉を使って」「○○が~したか」といった、条件が加えられた問題に対応。「条件を満たした答えの整え方」を中心に学べる内容です。
90分の中で、演習を交えながら進めていきます。
やる気溢れる中学生のあなたを、お待ちしております。
「言の葉の森」のお誕生日
「金曜日ね、学校のお誕生日で休みなの」
「いいねえ、3連休はうれしいよね」
などと話をしていたら、
「先生のお誕生日は?」
と聞かれた。つまり、「言の葉の森」の開塾日のことである。そこでカレンダーを確かめると、
「ああ… 残念。日曜日だった。」
結局、休みなので良いのだが。
そうか、開校記念日ならぬ、開塾記念日ね…。しかし、開塾記念で休みにする塾などあるのだろうか?
「言の葉の森」は、届け出上、7月14日が開塾日である。この日で、開塾4年目に突入する。なんだか、心が引き締まる思いだが、4年目も充実した日々を過ごせることを願うばかりである。
新年度 気持ちを新たに
いよいよ進学・進級の季節。児童・生徒の皆さんは新しい学年のスタートです。
何となくですが、「言の葉の森」に通塾してくる子たちの表情に、緊張感が見られます。きっと、新しく気持ちを切りかえて頑張るぞ!!と、密かに気合いが入っているのでしょう。
春は出会いと別れの季節でもあります。
3月に卒業していった生徒・保護者様には、高校合格の報告とともに「先生に出会えて良かったです」ととっても嬉しくてありがたい言葉をいただき、ちょっぴり(いや、ものすごく)淋しくもなりました。また、進級にあたって「新年度もよろしくお願いします」の挨拶とともに、「ウチの子、すごく本を読むようになったんです」「通知表の成績が上がったんですよ~」「いっつも楽しいって言ってます」という言葉。ほんとうにありがたいです。私にとっても、大きな自信となります。
もうすぐ開塾4年目となる「言の葉の森」。通塾生たちとともに、新たな気持ちで、気合いを入れて頑張っていきたいと思います。
2024年度も、「言の葉の森」をよろしくお願いいたします。