言の葉通信
「百人一首」で一年の締めくくり
木札「百人一首」を楽しもう!! に参加いただいた皆様、ありがとうございました!! おかげで、「言の葉の森」の2024年を、楽しく締めくくることができました。
12月26日からの3日間、小学生~高校生の参加があり、北海道の伝統カルタである木札百人一首の会を開催。初心者から上級者までが顔をつきあわせ、楽しく交流する場面もありました。
次は年明け、1月9日からの3日間にも開催します。今年は新学期の開始が早いので、残念ながら登校日と重なる日もあるのですが… 学生に問わず参加いただけますので、ご興味のある方はぜひ、いらしてください。
↑ 「散らし取り」の様子です。
今年一年「言の葉の森」で共に過ごしてくださった皆様に感謝申し上げます。
どうか心穏やかなお正月をお過ごしください。
国語は一生の宝になる
ある中学受験専門塾の講師の記事に激しく共感したので、一部抜粋して紹介します。
(国語が分かるようになるには)ただ、「量をこなそう」と考え、問題集をひたすら解くことで一気呵成(いっきかせい)にできるようになる科目でもないんですね。国語の成績を伸ばしていくには時間をかけた“体質改善”が必要で、まずは“筋肉”を鍛えることから始めなければいけない。地道な「筋トレ」を続けていれば、ある日突然できるようになる科目でもあるんです。
「体質改善」「地道な筋トレ」まさにこれ!!
当塾でも、常に意識して指導していることです。
文章を理解する上での最小単位「単語」を知らなければ、文章内容を読み取ることはできません。そして、その単語を構成する漢字がわからなければ、文章を読み進めることさえもできません。
漢字を一つ一つ学ぶこと、そこから意味を知り、熟語の理解につなげていく。その熟語によっては、歴史や経済といった社会的分野や、さまざまな分野への知識理解にまで発展することも多々あります。いまの小中学生には直接関わりない言葉でも、それらは「文章」には出てくるわけですから、関係ないからポイ!!とはならないのです。これがまさに、地道な「筋トレ」です。
そして同時に、読書による「体質改善」。最初はたいした興味もないまま始めた読書が、気がつくと「大の読書好き」になった子どもをたくさん見てきました。そうなると、一気に文章読解が楽になります。そもそも文章を読むことが苦ではなくなっているので、細かいところまで読み取るようになるのです。
そうして、定期テストや学力テストでは空欄ばかりで、そもそも何が書いてあるのかわからなかった中学生が、「体質改善」と「筋トレ」によって突然覚醒します。それはいつも、突然やってきます。毎日毎日逆上がりの練習をしていたら、あるとき突然クルッとできちゃった!!みたいな。
冒頭の記事のとおり、国語は「ある日突然できるようになる科目」でもあるのです。ただし、それは「体質改善」と「筋トレ」次第。
日常の日本語を使う「国語」だから、意外と軽視されがちですが、言いかえれば「一生使う日本語」を扱う科目です。国語は一度できるようになれば、「一生もの」の科目でもあると思っています。
「国語は一生の宝」であると信じる私は、今日も、生徒たちと学びます。
メキメキと…実感
おお、そうだ、そうだ、ちゃんと分かってたね!
さすが、ちゃんと見逃さなかったね!
最近、同じ言葉を口にしている気がする。
小学生・中学生問わず、ほとんどの塾生が、問題文をしっかり読み込んで、答えを導き出すようになった。細かなところも見逃さずに意識するようになった。
自分でも「できている実感」があるのか、表情にも自信があふれている。「すごいね」と褒めるたび、思いっきりドヤ顔をされる。
国語は、成果を実感することが極めて困難な教科だと言われるが、以前よりも「読めている」と感じられているなら、大変すばらしいことだと思う。これからも、自分に自信を持ちながら、さらにメキメキと力をつけていって欲しい。
ちなみに、中学生は現在、11月実施の学力テストに向けての対策中(3年生は10月の総合B)。いずれも「物語・小説」が範囲に入っているため長文に苦戦しているのだが、ここでは、日頃の読書が功を奏しているのが実感できる。
中3学テ総合A出題問題より 「安養の尼上の小袖」
中学3年生の皆さんは、いよいよ進路選択について真剣に取り組む時期に入りましたね。 そして、3カ月連続の学力テストに、すでにげんなりしているのかも…。
さて、9月に入って行われた総合Aは、基本をしっかり押さえた内容でした。
その中から、今後は毎回取り組むことになる古文について、触れていこうと思います。
今回の古文では、鎌倉時代中期の教訓説話集「十訓抄(じっきんしょう)」(編者未詳)が取り上げられました。注釈などを頼りにすれば何となくストーリーができたのではと思うのですが、なかなか難解だったようで… つまずいてしまった人も多かったようです。
そこで、「十訓抄」からの出題文、「安養の尼上の小袖」を改めて紹介しましょう。
横川の恵心僧都の妹である、安養の尼上の所に強盗が入り、そこにあった物がすべて盗まれてしまったので、尼上は和紙で出来た布団を1枚、頭からかぶって座っていました。そこに、(尼上の妹の)小尼上が駆けつけ、強盗が落として行った小袖が落ちているのを見つけました。それを拾って、「これを落としてございます。お召ください。」と尼上に渡そうとしたが、尼上は、「それは強盗が盗んだ物なのだから、この小袖はすでに強盗の物。彼らが自分の物と思っている物を、私が着ることはできません。追いかけていって返してあげなさい。」と言います。小尼上は門の方へ走り出て強盗を呼び止めます。「落ちていたので差し上げます。」と強盗に差し出すと、強盗は立ち止まって考え込み、「とんでもない所に盗みに入ってしまった。」と言って、盗んだ物をすべて返して去って行ったということです。
横川(よかわ)という地名や、安養といった語句に難しさはあるでしょうが、今回の読解にはさほど影響もないので、おおまかなストーリーが理解できれば合格です。古文を読む際には、登場人物はだれか、このセリフや行動は誰のものか、という2点を押さえることが最も大切です。次のテストでの参考にしてみてください。
実感の声 私も嬉しいです!!
先週から今週にかけて、中学校では前期期末テストが行われています。
この夏、「国語基礎学習会」にご参加くださった生徒・保護者の方から、嬉しいメールが届きました。「教えていただいたコツのおかげで、今回はミスすることなく解けて、中間テストよりも点数が上がりました。」と。(一部抜粋して紹介)
「国語基礎学習会」では、テストで失敗を防ぐコツを中心とした内容での90分の学習を実施。この90分に、通塾生徒には約2カ月かけてじっくり行う内容を詰め込みました。詰め込みすぎて、私としては、うまく身につくものなのか不安も少々あったのですが…。
けれど、いただいたメールを読んで安心いたしました。学習内容をしっかりと意識して解いてくれたのだなと。
国語の学習はじつに幅広く、奥深いものです。テストに対応するためのコツだけでも、たくさんあります。今回の学習会で取り上げたのは、その中でもほんの一部でした。それでも効果を実感することができたのなら、きっと今後の学習にも繋げていけるものと確信しております。
学習会に参加してくださった生徒・保護者の皆様。この場を借りて、御礼申し上げます。