開講にあたり

 子ども達に願うこと、それは「自分自身で生きていく力」「自分で未来を選択できる力」を身につけて欲しいということです。

 AIの発達や、いろいろな仕事がコンピュータに置き換わっていく現代。ついに教育の現場にも、一人一台のタブレットが導入されてきています。

 良い成績を取って良い大学に進学、大企業に就職して……そんな将来の保障など過去の話となっています。そんな時代を生きる現在の子ども達に必要なのは、「知能至上主義」ではなく、物事に対する「粘り強さ」や「自制心」、「好奇心」、そして何事にも真っ直ぐに突き進んでいける「前向きさ」ではないでしょうか。

 私はこの3月まで、中学校教員として国語を教えてきました。特にここ数年、問題を解いていても質問をしても、子ども達からすぐに「わかりません」と返ってくることが増えてきました。そしてそれは、よく考えていないのではなく、「粘り強さ」と「好奇心」が足りないだけでなく、文に書かれている言葉や意味が理解できなくて、「読み取る」ことができなくて「わからない」になっているのだと気づきました。現在の子ども達は、昔に比べれば明らかに生活経験が乏しく、情報が氾濫しているため想像力も乏しくなっています。活字離れと言われて随分経ちますが、「読書力」の低下も「わからない」ことの大きな要因だと思います。

 そこで国語専門塾「言の葉の森」では、「読む」ことから「学び」へつなげる学習プログラムにより、子ども達に国語力を身につけ、その力が将来にわたるものとなるようお手伝いをしたいと思っています。

       2021.4月