言の葉通信

2022-04-28 14:41:00

私が読書を勧める理由(終) 文章を最後まで読み切る力をつけるため

 国語というのは文章を読んで答える科目である。だから、「文章を最後まで読み切る力」が必要だ。文章を最後まで読み切ることができなければ、設問を解くというスタートラインにすら立つことができない。

 最近の中学入試や高校、大学入試に出題される文章は、長い。とにかく長い。一般的な単行本なら、3~5ページ分を載せる試験問題もめずらしくない。長い文章は苦手…だけならまだしも、読書習慣のない児童生徒なら、いくら読もうとしてもまったく頭に入ってこないだろう。

 国語に向き合う前に、文章を最後まで読み切る力をつけなければならない。そのためには、まず、読書をしなければ。試験での問題文を短いと思えるほどの読書を。

 

 あたりまえのことだが、たいていの文章問題の最初にはこう書かれてある。

 「次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。」

 さて、あなたは、あなたのお子さんは、ちゃんと最後まで文章を読んでいるだろうか?

 国語が苦手な子の大半は、文章を最後まで読まずに設問に答えている。傍線部分の付近だけを探して答えっぽいものを選んだり、そこで見つからなければ「なんとなく」で。これでは、いくら問題の数をこなしても、力がつかないのは明白である。

 

 国語を解くには、正解を導くためのプロセスがはっきりと存在する。

 よく、読書をする子は勉強しなくても国語の点数が良い、といわれる。これは、長い文章を最後まで読み切る力を身につけた上で、授業で学んでいるからだろう。言い換えれば、設問を解くというスタートラインにしっかりと立った上で、プロセスを身につけているからだ。

 

 国語を本気でなんとかしたいなら、まずは読書を通して、「文章を最後まで読み切る力」をつけることである。