言の葉通信
ちょっとした時間にでも…
少しずつ問い合せ電話をいただくようになり、少しずつ国語を学びたいと入塾する生徒も決まってきて、新しいお仕事(人生)が動き出したなぁと実感する日々。新しい人との繋がりにも喜びを感じる。
フリースペースとして勉強や読書ができる場所も併設しているが、意外に、大学生や社会人の方に利用していただいている。意外に…というのは、もともと高校生に多く利用してもらえたらと考えていたからである。
いわゆる「起業」を考えるようになったのは、12年ほど前に遡る。会議などで出かけた先々で、高校生になった教え子たちが勉強している姿を見かけるようになったことがきっかけだった。図書館で、とかちプラザで、駅構内で、スーパーの一角で… 下校後、家に帰る前に勉強できる場所を求めていることを知り、自習室のような場所があればいいのにと思ったのが最初だった。そんな場所を作ってあげられたらと。
同時期、常に5~7学級という多人数に国語の授業をする中で、限界を覚え始めてもいた。もっと一人一人に丁寧に教えたいと思うようになっていた。
そうして第2の仕事について真剣に考え始め、計画し、準備を進め、開業に至る。
ずっと中学生ばかりを見てきた教員生活だったからか、そこを巣立った高校生が気になってしまう。バスの待ち時間、親の迎えの待ち時間、ちょっと勉強して帰ろうかなと思ったときに「言の葉の森」に立ち寄ってもらえたら、この上なく嬉しい。
読書で「涙活」!?
本を読んで涙腺が緩むことは以前からあった。ドラマや映画を観ていても然り。それにしても、最近、特に涙もろくなったなぁと感じる。
たとえば朝ドラ「おかえりモネ」で…… ガンを患う写真家の田中さんが、送られてきた孫の写真を眺め、誰が撮ったんだか下手くそな写真だとけなし、「俺が最高の一枚を撮ってやるってんだ、もう…」と言っている姿に涙がポロッ…。こんな調子だから、いかにも涙を誘うような場面があったなら、気づけば嗚咽。我ながら、おいっ、ここでかよ!!と突っ込みたくなる。
現在私が読んでいる本は、乃南アサ『六月の雪』。日本の植民地であった時代の台湾で過ごしていた祖母の足跡を辿る孫娘の旅を描いているのだが、当然台湾の歴史等も描かれていて、これがまた涙を誘うのだ。
私が本を読むのはいつも寝る前、ベッドに入ったあと。『六月の雪』を読み始めてからは、ダメだ、これ以上寝る前に泣いてられない…と思って本を閉じることが多い。そうして朝まで爆睡…。
ところが、これがとても良いらしいのだ。寝る前に泣くと、自律神経が整い、リラックスして快眠できるとか。これを「涙活(るいかつ)」と言い、心のデトックス効果が抜群なのだそうだ。
確かに、思いっきり泣いた後はスッキリする。
寝付けない夜は、泣ける本を読むことにしよう!
ロゴを紹介します
木陰の下で読書をしている少女…
このロゴは、現在は東京でイラストレーターとして活躍している大澤真琴さんが考案してくれたものです。大澤さんは、私が南町中学校在職中に出会った生徒です。イラストを描いたり、マンガを描いたり、読書にも熱心で、よく廊下で会話していたのを思い出します。
そんな大澤さんがデザイン・イラスト制作事務所「お菓子座まこと」を立ち上げ、様々な制作活動を行っていることを知り、密かに応援し… 私が「言の葉の森」を起業するにあたり、シンボルとなるロゴが欲しいと思ったとき、大澤さんしかいない!!と依頼。そうして、イメージぴったりのロゴが完成しました。
この南の森地区は、私がもっとも長く在職した南町中学校の校区であり、生徒達をはじめ多くの方々からの温かさをもらった場所です。新しい人生のスタートを切るならここしかないと思っていました。そして大澤さんとの縁も、今度は社会人同士、お互いを応援し合う形で再び繋がることとなりました。
「言の葉の森」は、本を通して人が繋がっていく場所でありたいと思っています。