言の葉通信

2021-06-24 15:09:00

中学生に身につけてほしい「国語力」

 中学生には、常に高校入試を意識しながら進めざるを得ないでしょう。ただし、ゴールは高校合格に留まらず、将来正しく日本語を使える人であってほしいと考えます。つまり、高校入試はゴールではなく、正しい日本語を使う人になるための通過点です。「国語」というのは幅広く奥深く、教員生活を30年過ごした私でさえ、制することができません。

 ですから、国語科でのできる限りの知識や語彙、読解力を身につけながら、入試に向けた演習を取り入れていきます。

 

 学力テストの出題範囲表を初めて見た中学一年生は、国語の出題範囲を見ると必ず戸惑います。「これ、教科書のどこですか?」と聞いてきます。「教科書の文章は出てこない」と伝えた途端、もう何を勉強したらよいのやら…と頭の中が真っ白になります。どんな文章題が出題されても、日頃の授業での積み重ねてきた知識や技能を使えばよいのですが、それが実感できていないから戸惑うのでしょう。そして語彙知識の広さによって左右されるというのも、学力テストや入試の手強さかもしれません。

 

 また、国語での、とりわけ読解問題は、他教科と決定的な違いがあります。

 それは、「国語だけが、問題用紙に答えが書いてある」ということです。

 ですから、国語の得意な子や日常的に読書量が多い子にしてみれば「文章を読んで、書いてあることを答えるだけ」なので簡単に解いていきます。文法事項を除けば英語や数学のようなはっきりとした新出単元があるわけでもないので、「習ってないから分からない」ということがありません。したがってほとんど勉強する必要がなく、いわゆる「ノー勉」で高得点が取れてしまいます。ただし、答えはわかっても、答え方が違っていれば点数にならないというところが国語の難点でもあります。

 

 国語は幅広く奥深い。どこまでも広く、どこまでも深い教科です。少しずつ語彙を増やし、的確に文章を読み取る力を身につけていくことが必要です。

 「言の葉の森」では、読書を通じて語彙力・読解力を高めながら、その子が苦手とするところを重点的に演習を繰り返し、問題用紙に書いてある答えの見つけ方と答え方を身につけながら、高校入試対策にも力を入れていきます。